シルビア先生がぴあクリニックに来られました

 6月11日(火)、カリフォルニアにあるサミュエルメリット大学看護学部教員のシルヴィア・フォックス先生が聖隷クリストファー大学看護学部の交流事業の一環で、通訳の村松沙都さんとともにぴあクリニックに来られました。
 アメリカにはACT(Assertive Community Treatment)など先進的なプログラムが提供されている地域や、マディソンを首都とするデーン州のように、行政が主体となって包括的に精神保健福祉システムが構築されている地域もあります。しかし、アメリカという国のスケールでみると、日本のような国民皆保険制度がいまだ成立していないため、利用できるサービスは地域と経済力などによってかなり異なってきます。日本であれば、精神科訪問看護は交通の便が非常に悪い地域などを除けば、自立支援医療の利用によって低価格で利用することができるようになってきましたが、フォックス先生が住んでおられるカリフォルニア州サンフランシスコ近郊では、このようなサービスは”amazing(素晴らしい)” なのだそうです。

 午前中は、重度の統合失調症ながら一人で暮らしている2人の方のお宅にそれぞれ伺いました。
 1件目の方への訪問では、ちょうどヘルパーさんが入浴を支援してくれた後で、レモン薬局の薬剤師さんも訪問して配薬をしているところでした。薬剤師さんが工夫してその方の服薬方法を考えてくれていることやさまざまな職種がいろいろ支援することで地域での生活を実現している姿をみて、フォックス先生はとても感激されていました。
 2件目の方は糖尿病がありながらも地域で一人で暮らしている方のお宅に伺い、一緒に近くのスーパーに買い物に行きました。ご自分で判断して購入されていることに関して質問がありました。糖尿病なので血糖のコントロールが必要となり、糖尿病の状態の一つの指標であるHbA1cの数値を見ながら、ご本人とITT(個別支援チーム)の看護師、PSWとで何をどのくらい買うかを相談してきたことなどを説明したところ、やはり「素晴らしいですね」と感心されていました。

 昼は虹の家のメンバーが作ってくれた手巻き寿司(うなぎ入り)といこみどうふ、美しい麩入りの汁物などをいただき、院長と地域での実践などについて会話がはずみました。

 午後は虹の家でのミーティングに参加して、メンバーの地域で生活する様子について興味深そうに耳を傾けておられました。



虹の家のミーティングにて。
通訳の村松さん、聖隷クリストファー大学看護学部の式守先生、シルヴィア先生、院長